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基盤設備(通信土木設備)とは?

基盤設備(通信土木設備)とは、通信ケーブルを人為的災害、自然災害に対して防護する機能を持ち、日常のケーブル工事や保守作業を行う空間を確保するため、主として道路を占用して設置するマンホール、管路等の通信設備をいいます。
その役割は、通信用ケーブルを布設し、布設されたケーブルに対する開通工事等の各種のケーブル工事および日常の点検などの保守作業を行うための空間の確保と、通信土木設備が主として道路の地下を占用して建設されることから発生する、布設されたケーブルを道路の改良工事や道路上で行われる下水道工事などの公共土木工事によるケーブル切断などの人為的災害から防護することおよび日常の風雨はもちろん風水害、地震などの自然的災害から防護することにあります。

1. 主線管路

主線管路とは、マンホール、ハンドホール、とう道、所内マンホールの間を結ぶ管で、原則として掘削することなく1区間のケーブルを管内に引き込み、または引き抜くことができるように敷設したものです。呼び径75mmの管を多条多段に積んで地表面下1~2m程度に埋設し、従来は管路1条毎に通信ケーブル1条を収容する形態を基本としているが、管路工事の抑制を図るため、1条の管路に複数のケーブルの多条敷設を行う場合もあります。なお、通信ケーブル接続等の作業、接続点・分岐点の設置空間を確保するため、一定間隔で作業者が入坑して作業が可能なマンホールを構築しています。

2. 地下配線管路

地下配線管路とは、加入者に配線するために主線管路より分岐して加入者に至るまでの地下管路です。呼び径25mmあるいは50mmの管路で、管路1条毎に通信用ケーブル1条を収容していましたが、1999年からは呼び径150mmの管路に通信ケーブルを多条数収容するフリーアクセス単管方式が導入され、設備の小型化・軽量化・新規需要に即応した配線ケーブルの敷設・分岐・取出しが可能となっています。なお、地下配線管路には、一定間隔毎にケーブル分岐・接続点を設置するハンドホールを構築しています。

3. マンホール

マンホールとは、ケーブル引込や引抜き、接続作業などのため、地下に設けられる長さ10m未満の構造物です(長さが10m以上のものは「とう道」となります)。構造上天井(上床版またはスラブといいます)があるのが特徴です。現場でコンクリートを打設して構築されるものと、プレキャスト製ブロック(鉄筋コンクリート製あるいはレジンコンクリート製)により構築されるものがあります。

4. ハンドホール

ハンドホールとは、少対ケーブルの引込み、引抜き、接続作業を目的として設けるもので、4号ハンドホールを除き構造上、上床版(スラブ)がなく路上でケーブルを接続し、ケーブルおよび接続点を収容保護するために、地下に設けられた構造物をいいます。

5. とう道

とう道は、通信用地下ケーブルを大容量で収容できるトンネル形式の通信土木設備です。ケーブルを布設するためにNTTビル相互間およびNTTビル等から管路との間に設けられた亘長4m以上の地下道、管路と管路の間に設けられた亘長10m以上の地下道をいいます。通常、NTTビル付近は、各方面からのケーブルが集約されてビルに引込まれるので、とう道が設置されます。NTTビルに接続する場合、亘長4m以上はとう道になりますが、管路と管路の間に設置される場合は、亘長10m以上でないととう道にならずマンホールとなります。トンネル断面形状(内法寸法)は、矩形(幅1,650mm~4,150mm、高さ2,100mm~3,300mm)と円形(直径2,200mm~5,000mm)があります。

矩形とう道内状況
円形とう道内状況

6. 中口径管路

中口径管路とは、マンホール~マンホール相互間、マンホール~とう道間を結び、中口径の管内に多条数のケーブルを布設できる構造の管路をいいます。管路が原則的に1条の管路にケーブル1条を収容するのに対し、呼び径250mm~500mmの中口径管路1条に多条数のケーブルを収容するための管路が中口径管路です。